天理[vs広陵]/智弁和歌山[vs国学院栃木]/大阪桐蔭[vs明秀学園日立]
甲子園で行われる全国高校野球選手権大会(2017夏)と選抜高等学校野球大会(2018春)を,関西の名門常連3校である「天理」「智弁和歌山」「大阪桐蔭」のそれぞれのアルプス席で観戦した.売り子に狙いを定めて声を掛け,夏・春問わずにビール,但し春の肌寒い第一試合序盤に限っては月桂冠の燗酒を片手に,応援に加わって1プレイ1プレイに一喜一憂するのは何とも気持ちがいい.

2017/8/12 天理(奈良) vs 広陵(広島) @準決勝
チーム 123456789   計  
広陵 20011230312
天理 0022002039

PL学園(大阪)が暴力事件で廃部になり清原和博が覚醒剤所持で逮捕された翌年,広陵の中村奨成が清原の持つ1大会最多本塁打記録を5本から6本に塗り替えた歴史的試合としてニュースで取り上げられ,世間的には認知されたゲーム.が,現地の天理側アルプス席にいた観客には,9回裏の天理の「ワッショイ」の大応援が心に刻まれた.鳴り止まないラッパ,おっさんの野太い「ワッショイ」,おネエちゃんの甲高く通る「ワッショイ」,止まらないヒット,立て続けに3点,またラッパ,そして観客が一体になった“追いつける!”“逆転だ!”という高揚感! たまらなかった.



2018/3/30 国学院栃木(栃木) vs 智弁和歌山(和歌山) @3回戦
チーム 123456789   計  
国学院栃木 0000001304
智弁和歌山 41101000X7

甲子園歴代最多勝利68勝[この試合後決勝で大阪桐蔭に敗れ準優勝]を誇る高嶋仁監督が率いる名門で,例年"打高投低”の観ていて面白いチームを連れてくる.守りの時間はハラハラ,攻めの時間はイケイケ.スイングが鋭く,打球音が高く,あっという間に塁間を抜いたり外野手の頭を超えるヒットが続く.伝統の応援メロディの魔曲『ジョックロック』に加え,アルプス席で聞き慣れないけど何かシミジミと腹の底から熱くなるな,と応援していたら,今回の選抜から加わった『ミラクルショット』だった.伝統の曲として紡いで行ってほしい.





2018/3/31 明秀学園日立(茨城) vs 大阪桐蔭(大阪) @3回戦
チーム 123456789   計  
明秀学園日立 0000000011
大阪桐蔭 00101012X5

49勝9敗の優勝6回(春2→3[この試合後決勝で智弁和歌山を倒して優勝]・夏3)で,脅威の勝率8割5分を誇る西谷浩一監督が率いる平成の常勝軍団が大阪桐蔭だ.PL学園の中村順司監督の58勝10敗の勝率,智弁和歌山の高嶋仁監督の最多勝利記録の更新が視野に入っている.後ろの地元の関係者集団の席からは“ジント”(1番宮崎仁斗)や“中川君”(3番中川卓也)コールが響き,リリーフに入ったネオ(5番根尾昂)のどっししりとした下半身から投げる――足をゆったりと少しホームベース方向に上げる独特な――安定したピッチングで,打線の繋がりはやや欠いたものの,終わってみれば相手の付け入る隙はほぼなく,横綱相撲だった.



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