イタリアワインを教養へ
イタリアワインの格付けは，統制保証原産地呼称DOGCワイン（２４）を頂点に，統制原産地呼称DOCワイン（３００），波のワインとして典型的産地表示付きIGTワイン（１２２）が続き，４層の一番下は品種名も産地名もラベルに表示する必要のないVdTワインである．
■０１． JERMANN SAUVIGNON／2009
＜一般＞ 葡萄品種はシャルドネ主体．フリウーリ・ヴェネツィア・ジューリア州：イタリアの北東の端，スロヴェニアとオーストリアに国境を接する州で，高品質の白ワインの産地として注目される．１つのDOCGと８つのDOCがある．１８８１年に創業したイエルマンは，呼称制度にとらわれること無く，高級VdTワインづくりに専念し，世界最高の白ワインの一つとまで呼ばれる「ドリームス」を初め，シャルドネを主体とした白ワインを産している．ミネラル感，フレッシュな酸，ヘヴィ＆リッチな果実味があり，イタリアンレストランのソムリエからもインパクトはあるながら，料理に合わせやすい，と人気がある．２０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月４日に飲む．フランスワインで飲んだ，グルナッシュ・ブラン種のワインかと思ったら，なんとシャルドネ．ワインはぶどう品種に影響されるのは間違いないけど，それだけではない奥深さを改めて感じさせてくれた．しかし，いずれにしてもグルナッシュ・ブランで以前感じたような，甘い，洋梨のような香り，喉越しも鼻にその香りが抜けた．
■０２． BAROLO VENDEMMIA／2006
＜一般＞ 葡萄品種はネッビオーロ主体．ピエモンテ州：中部イタリアのトスカーナと並ぶ高品質ワインの産地である．ともに背後に山岳地帯があり，野獣や野鳥の肉料理に合うワインを昔からつくってきた．そのため，熟成タイプの赤ワインが多い．DOCGワインの偉大なバローロ，伝統あるガーヴィ，独特な個性のあるアスティがある．芳醇でタンニンに富み，アルコール分がいたって強い(最低13%)．辛口だが口に含めばかぐわしく，すばらしい深みを感じさせる．４０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月５日に飲む．色，香り，味全てが複雑でエロい．フランス人のフレンチ・キッス（ディープキス）の名が示すように，セックスでは前議が延々と続き，本当に延々と続き，入れて入れられてたすぐに，と聞く．イタリア人は，口説きから，本番まで慣れたもので，エロいイメージがある．赤ワインは過去に逢瀬を交わした女性を思い浮かべるとも言われるが，まさにそのもので，エロかった．色が少し褐色や茶がかっている．香りは，一瞬合成的な鼻にツンとくるけど，タンニンと葉巻の間の子ような渋く，心地よく，長く残る．味はタンニンが染み出た渋み，舌が逆立つ．前議で舌が乾いた時に，女体から染み出るような芳醇でほっとする水分のような．
■０３． BELLINI CHIANTI／2009
＜一般＞ 葡萄品種はサンジョヴェーゼ主体．キアンティ（キャンティ）は若飲みタイプで，ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ（フィレンツェのTボーンステーキ）など肉料理が中心のイタリア・トスカーナ州で産するため，赤ワインが多い．ベリーニ社は1800年創立という歴史あるメーカー．スパイシーな香りとイキイキした酸味が特徴になている．少し冷やして（冷蔵庫で30分程度）やると，果実味がクッキリしてグイグイ飲める．2007年に雑誌「一個人」でイタリア（赤）のNo.1に選ばれるなど，コストパフォーマンスに優れた普段使いにしたいワイン．１０００円弱．
＜個人＞ ２０１１年６月８日に飲む．
■０４． JORIO MONTEPULCIANO D'ABRUZZO／2008
＜一般＞ 葡萄品種はモンテプルチアーノ主体．アブルッツォ州で産せられる“ヨーリオ”モンテプルチアーノ・ダブルッツォ（JORIO MONTEPULCIANO D'ABRUZZO）．漫画『神の雫』に登場する，人気銘醸ワインの造り手ウマニ・ロンキ社による赤ワイン．アブルッツオ生まれの詩人ダヌンツィオの作品「ヨーリオの娘」に由来する．単一畑“ヨーリオ”で造られるブドウが持つ可能性を最大限に引き出したフルーティでバランスの取れたエレガントな味わいが特徴辛口赤ワインである．１０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月９日に飲む．
■０５． CHARDONNAY VENETO／2010
＜一般＞ 葡萄品種はシャルドネ主体．ヴェネト（VENETO）州で産せられる．無農薬・有機栽培の良質なぶどうを手摘みし，イタリアの名門ワイナリー”ヴォルピ家”で造られるオーガニックワイン．ヴォルピ家は，1914年よりピエモンテ州のトルトーナ地区にて営んでいる名門ワイナリーで，ピエモンテの高品質ワインを造るかたわら，ヴェネト州など他の産地でオーガニック・ワインを生産している．コストパフォーマンスの高いワインとして世界中のワイン愛好家から愛されている．１０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月１０日に飲む．
■０６． PRIMITIVO DI MANDURIA／2009
＜一般＞ 葡萄品種はプリミティーヴォ（PRIMITIVO）種．プーリア州で産せられる．プリミティーヴォ種100%を新樽で熟成させて造られたDOC規格のフルボディ赤ワイン．甘いブラックベリー，チェリーやリコリス（日本では人気は低いが，北アメリカやヨーロッパで古くから親しまれ，子供から大人まで幅広い人気がある菓子）の香りにバニラの香りがする．まろやかでなめらかな舌触りと濃厚で骨格がしっかりとした持続性のある味わいが特徴である．１０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月１１日に飲む．
■０７． PASQUA SOAVE／2009
＜一般＞ 葡萄品種はガルガネーガ主体．ヴェネト州で産せられる．イタリアで最もポピュラーな白ワインの一つ．明るい麦わら色で，香り高く爽やかでスッキリとした口あたりが特徴．喉ごしも滑らかな親しみやすいワインである．１０００円弱．
＜個人＞ ２０１１年６月１６日に飲む．
■０８． CHIANTI FOSSI／2008
＜一般＞ 葡萄品種はサンジョヴェーゼ主体．トスカーナ州で産せられる．フォッシ（FOSSI）のキャンティ（CHIANTI）はイタリア国内のレストランでは確固たる評価を得ている．豊かで甘美なプラムやスミレの香りを持つ，バランスの取れた新鮮なキアンティに仕上がっている．１０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月１７日に飲む．Ｎｏ．０３以来，２本目のキャンティ．
■０９． PIO CESARE GAVI／2008
＜一般＞ 葡萄品種はコルテーゼ主体．ピエモンテ州で産せられる．ピオ・チェーザレ（PIO CESARE）は，アルバ近郊に１８８１年からあるワイナリーで，交通網を生かし，早い時期からバローロやバルバレスコを輸出して，世界的にも数々の賞を受賞している．ガヴィ（GAVI）はピエモンテ州南東部，リグーリア州に接する丘陵地帯に位置する人口４０００人ほどの小さな町である．イタリアワインの格付けの最上位にあるD.O.C.G（Denominazione Origine controllata Garantita：統制保証原産地呼称）を持つ，辛口白ワイン「ガヴィ」の産地として有名である．２０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月２３日に飲む．
■１０． LE BUSCHE MARCHE BIANCO／2008
＜一般＞ 葡萄品種はヴェルデッキオとシャルドネ．マルケ州で産せられる．アルコール分を感じさせる爽やかな辛口の白ワインで，落ち着いた風味とコク，ブロードのような滑らかさを併せ持っている．熟したリンゴなどのフルーツ，バニラやスパイスの香りが特徴的．“レ・ブスケ”（LE BUSCHE）とは古くから知られる優良畑の名前です．２０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月２４日に飲む．
■１１． RIVERA IL FALCONE／2005
＜一般＞ 葡萄品種はネロ・ディ・トロイアとモンテプルチアーノ．プーリア州で産せされる．力強さと豊かな香りを兼ね備えた，プーリア州の土着品種ネーロ・ディ・トロイアから造られた長期熟成タイプの赤ワイン．カステル・デル・モンテを建設した王家の紋章「ファルコーネ（鷹：FALCONE）」に由来し命名された．その名にふさわしく，フルボディでコクのある味わいが特徴的に仕上がっている．２０００円台．
＜個人＞ ２０１１年６月３０日に飲む．
|