フランスワインを教養へ

French_Wine_2011_spring

ヴィンテージ(vintage)とは本来,ワインにおいて,ぶどうの収穫から醸造を経て,瓶詰めされるまでの工程を表す言葉である.同一年に一定の区域から収穫されたぶどうのみを使って醸造されるワイン,そのワインに使われたぶどうの収穫年を指し.いわゆる当たり年のワインを指すようになった.

■01. POUILLY FUME INDIGENE/2008/ソーヴィニョン・ブラン, ソーヴィニヨン・グリ
<一般> POUILLY(プイィ)は,古城が点在して風光明媚な,フランス一の長流であるロワール川流域の,中央フランス地区の地名である.FUME(フュメ)とは煙でいぶしたの意,INDIGENE(アンディジェン)は,土着のという意味.造り手は,パスカル・ジョリヴェで,ロワールワインを世に知らしめる立役者.1982年よりワイン造りをスタートした若い生産者ながら,ミシュラン星付きレストランでも取扱われるほどの実力で,モットーは“ Challenge of Natural!(自然のまま)”.ブドウの最大の魅力要素であるしっかりとした強い「酸」と,テロワール(ワインの味わいに影響する土壌,地層,地質,立地条件)の個性である「ミネラル」を感じさせる.品種はソーヴィニョン・ブランで,そのクローンのブラン・フュメあるいはフュメ・ブラン.6000円台.
<個人> 2011年4月3日に飲む.色は緑がかっており若草色.香りは強くないが,よく嗅ぐと甘く鼻を抜け,うっすらバニラを感じさせ,爽やか.味も色も濃く,強い余韻が残るが,後味は嫌味がなく,すっきりとしている.

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■02. POUILLY FUME TAILLEVENT Label/2008/ソーヴィニョン・ブラン, ソーヴィニヨン・グリ
<一般> TAILLEVENT(タイユヴァン)はパリ第8区にあり,1973年から2006年まで歴代最長のミシュラン・三ツ星を獲得したレストラン.故ジャン・クロード・ヴリナ氏がフランス中を歩き,その土地「テロワール」の特性をよく表した,ナチュラルなワインを最上のものと考えてコレクションした.ロワール川上流右岸に広がるプイィ・フュメは,対岸のサンセールと並んでソーヴィニヨン・ブランから造られる辛口白ワインで有名.白い花のような華やかな香り,ライチ,洋梨,白桃などのフルーティーな風味があり,後味は爽やか.品が良く穏やかなワインである.3000円台.
<個人> 2011年4月5日に飲む.1に続いてプイィ・フュメで,同じ銘柄の別ボトルのワインを立て続けに飲んだ経験は初である.色は1本目より薄く,澄んだ萌葱色.香りは甚だ爽やかで,嫌みな余韻がまるでない,マスカット葡萄の皮をむいて,皮側にこびりついたぷつぷつと凹凸が出来た身をすする時の芳醇で希少感を伴う味に似ている.冷やさなくても前述の良さが活き,やや力強いボリュームを残す.

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■03. MACON FUISSE/2009/シャルドネ
<一般> マコン・フュイッセはブルゴーニュの南,マコネ地区でも最も有名なA.O.C.――フランスの農業製品に対して与えられる認証で,アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレの略――,の一つで,非常にコクのある,辛口の白ワインを多く造る土地として知られている.ピュアな果実味とまろやかな口当たりが何とも印象的.2000円台.
<個人> 2011年4月7日に飲む.草色,草の香りがする.あらかじめ種を取り除き,マスカット葡萄の身を,万一種を噛んだ時の苦みを気にせず,安心してがぶりとやった時のような,果実身が強い.余韻にアルコールが残る.

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■04. Grand Cru Steinert/2007/リースリング
<一般> アルザスはドイツ国境に隣接するフランス北東地方で,畑はライン川に面したヴォージュ山脈の沿いに連なっている.総生産量の80%以上が辛口の白ワインで.アルザスのワインは,ラベルに原料の葡萄の品種名が表示されている.Grand Cruは特級畑,Steinertは石を意味し,樹齢平均40年の畑で作られるワインは生産量は少なく,熟したリンゴやミネラルの香りが華やか.味わいはきれいな酸,口の中があふれんばかりの凝縮味とはっきりとした骨格が,ぜいたくで飲み応えのある印象を与える.余韻が長く後味にミネラル感が残る.3000円台.
<個人> 2011年4月9日に飲む.アルザスという響きのせいか,悠然と座す山や高原の力強さを感じる.色は濃い黄緑をし,グラスを強く回すと,赤みがかった色が顔をのぞく.芳醇なフルーツ味,複雑なミネラル感が舌を走り,長く余韻が残る.

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■05. POUILLY FUISSE LOUIS JADOT/2008/シャルドネ
<一般> 大好きな作家・開高健のエッセーに出てくる.対談・美酒について―人はなぜ酒を語るか―(吉行淳之介・開高健:新潮文庫)には,『(開高)酒の肴の話をしますと,秋のころの脂の乗りきったサバ,それをほんの軽く酢を打つだけして,しめサバにするんです.切口が虹色に光っているようなやつ.安くできます. (吉行)表現がいいね.おまけに,サバにまで値段をつけて下さる. (開高)それを肴に,僕はいっぺんひとりでどのくらい飲めるかやってみたことがある.プイィ・フュイッセというワインを二本空けたな.ほとんど生に近いしめサバをさかなにして. (吉行)ブルゴーニュの辛口の白ね,それはいいかもしれない. 開高:最高にいいです.』,地球はグラスのふちを回る(開高健:新潮文庫)では,『リヨンのポール・ボキューズの店で満足した話をしきりにくりかえし,(中略).「ボキューズの十八番はスズキをパイで包んで焼いたやつだけど,(中略)」,(中略).「酒はどうします,酒は」「酒か.酒はナ.プイィ・フュイッセならわるくないな.プイィなら,何年のでもいいぞ.シャムベルタンなら64年.いや,70年でもいい.71年でもいいな.(中略)」』,『銀座の「レンガ屋」へオマール(海産のエビガニ)を食べに出かけた.(中略)さて,オマールの食べ方にもいろいろあるのだが,僕の場合は,まず「ビスク・ド・オマール」で始まった.これはオマールの脳味噌と,肉と殻をそのままつぶし,濾してポタージュふうにしたスープだが,なかなかユニークな味である.特に,この脳味噌の具合で,濃厚だが実に香ばしい香りが舌に広がる.なお,ワインは白ぶどう酒「プイィ・フュイッセ」で通した.』,『いっしょにいった安岡章太郎大兄は羽田をでたときに日航の機内で飲んだプイィ・フュイッセの白が忘れられないものだから,道中ずっと,ぶどう酒のあるところへいったらかならずプイィ,プイィといいつづけたが,(中略)』.オーク樽が効いて,複雑で,果実味がゆたかで,柔らかなコクがある.若いうちでも,十分愉しめるが,数年ねかせるとさらに味わいに深みを増す.LOUIS JADOT(ルイ・ジャド)は,1859年に創立したブルゴーニュでも有数のワインの卸売り(ネゴシアン)である.4000円台.
<個人> 2011年4月11日に飲む.開高健が評価するのもうなづける.うまい.果実の重さ,一瞬の複雑さ,でも,すっきりとした余韻で,料理を引き立ててくれる.香りには気品があり,嗅ぐほどに,吸うほどに,引きずられる.

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■06. CHABLIS AC DEFAIX/2009/シャルドネ
<一般> ステンレスタンクで熟成させた,フレッシュな切れ味で辛口.シャブリ地区はブルゴーニュ地方で最も北に位置し,辛口白ワインの代名詞のようになっている.粘土質と泥炭質が交互に層をなし,その中に貝殻の化石を無数に含み,表面は石灰岩とキリメンジャン石の破片におおわれたキリメリジャンという特殊な土壌と,シャルドネ種の組み合わせにより,独特のミネラル風味を持った,切れ味が鋭い辛口白ワインを産する.2000円弱.
<個人> 2011年4月12日に飲む.辛い.白葡萄を皮ごと口に放り込みくちゃくちゃと噛んだ時,最初にやってくる皮の持つ渋みの味が,舌にざらりと残る.牡蠣にシャブリとは言ったもので,食べ物をワインの清冽さで洗うのではなく,シャブリの場合,食べ物のコクとエキスでワインの辛みというか渋みを流すことに,趣きがありそうである.

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■07. CHABLIS Premier Cru Fourchaume/2006/シャルドネ
<一般> Premier Cru(プルミエ・クリュ:一級畑)の中では知名度の高いFourchaume(フルショーム)の畑は,Grand Cru(グラン・クリュ:特級畑)と同じ,スラン川の右岸に位置する.力強さとエレガントさを兼ね備え,豊かなリンゴを思わせる特徴は,いきいきとした酸味によってバランスが保たれ,長い余韻へと続きます.4000円台.
<個人> 2011年4月13日に飲む.まずは冷やさずに4月中旬の常温で飲む.芳醇!豊潤!口一杯に葡萄の果実のど真ん中・直球の広がりを感じる.非常に厚みがありながら,野暮ったさは皆無であった.素直に美味い.冷蔵庫で冷やした後,口に運ぶと,6.のシャブリに近い味になっていた.ワインの熟成用セラーは,低温多湿の環境なようで,ラベルやコルク上部にカビが付着したり,ラベルに風化が見られるそうだが,このワインもそれが見られた.常温で開けたての美味さは,その証左だったのだろうか.

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■08. BOURGOGNE PINOT NOIR NICOLAS ROSSIGNOL/2008/ピノ・ノワール
<一般> ヴォルネイ村に本拠地を置く1974年生まれのニコラ・ロシニョール.将来この産地(アペラシオン)を背負って立つと目される注目の造り手で,果実味の純粋さを極力生かすため,除草剤等を使用しない減農薬農法(リュットレゾネ)を実行し,無ろ過で瓶詰めする.ロシニョールの拠点「ヴォルネイ」の真下,シャトー・ド・ポマールの真隣に位置する区画の,樹齢15年の若木と45年の古木のピノ・ノワールを使用したワイン.赤い小果実やフローラルの新鮮なアロマ,風味に溢れ,具合の良いタンニンも見事なロシニョールのエントリーモデルである.3000円台.
<個人> 2011年4月14日に飲む.ルージュとは言い得て妙な,薄い赤紫をしている.ブルゴーニュは白,ボルドーが赤の先入観が有るが,ボジョレー・ヌーボで有名なボジョレー,世界一高いワインと言われるロマネコンティはブルゴーニュに位置する.ロマネコンティと同じブルゴーニュのピノ・ノワール種で作られたこのワインは,渋みが強く,冷やすとタンニンが一層際立って舌にまとわりつく.赤ワインはよく女性に例えられると言われるけど,直接的に女性器にむしゃぶりついている感覚さえある.味覚に訴える形容詞(「甘い」「辛い」「酸っぱい」「しょっぱい」等等)の中で,「渋み」が最も複雑さを有しているためだろうか.

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■09. Vin d'alsace Pinot Blanc/2007/ピノ・ブラン
<一般> Pinot Blanc(ピノ・ブラン) は,白ワイン用ぶどう品種の一つで,ピノ・ノワール(赤ワイン用の品種)の枝変わり種であるピノ・グリの変異種とされている.アルザスが発祥の地とされる.特級銘柄でこそないが,評価は非常に高く,ハーブあるいは柑橘系のさわやかな香りと,強い酸味,適度な苦みなどがあり,かなりこくのあるワインになる.クレマン・ダルザスというスパークリングワインにも,このぶどうが使われている.2000円弱.
<個人> 2011年4月20日に飲む.清涼感が素晴らしい.色も香りも,一見薄い中に鋭いキレが感じられた.辛口でフルーティさも少し持ち合わせているけれど,特筆すべき点はなかった.ワインは飲み慣れておらず,違いが全く分からないものと思っていたけれど,10年以上継続して飲んで来た酒の一種だし,その間いろいろ辛酸なる経験もして来た.意外と,値段に応じた美味しさを感じられているところを見ると,それは銭を使った分は元を取りたいという卑しさの裏返しも心の奥に巣食ってはいるだろうけれども,鼻が舌が目が吸い上げた情報を,脳内の経験というフィルタに濾過させて出てきた感じなのだろう.

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■10. Pouilly Fuisse Levroute Velours d'automne/2004/シャルドネ
<一般> Levroute(ルヴルーテ)とは,マコンの古い言葉で「ヴィロードがかった」という意味.プイィ・フュイッセとしては珍しく,遅摘みして新樽と1年樽で12ヶ月熟成して,コクのある辛口に仕立てている.99年がフランスのブルゴーニュワインの専門誌「Bourgogne aujourdhui」47号で,1999年と2000年のプイィ・フュイッセ等の試飲(143本)の中の第1位に選ばれている.4000円台.
<個人> 2011年4月22日に飲む.重厚感溢れる黄金色,香りも煮込んだリンゴの様なフルーティでアロマティックな香り,その中にほんのり上品なぶどう畑で最初に嗅ぐような香りを感じさせる.朝,日も明るい春の5時過ぎに起き,顔を洗った直後にグラスに注いで,きゅっと飲んだら最高だった.

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■11. Chassagne-MONTRACHET/2008/シャルドネ
<一般> MONTRACHET(モンラッシェ)は辛口白ワインの王と称される.Puligny(ピュリニー)・MONTRACHETは最も偉大なブルゴーニュ産白ワインを産み出す村,Chassagne(シャサーニュ)・MONTRACHETはその隣にある村である.キンメリジャンと呼ばれる石灰分の多いアルカリ性土壌で,シャルドネ種のぶどう栽培に適した畑を有する.華やかな芳香と柑橘系の酸がキレイな印象な白ワイン.尚,モンラッシェの北東に位置する,ヴォーヌ・ロマネ村にある1.8ヘクタールのピノ・ノワール種のブドウ畑で年間450ケースの世界で最も高価なロマネ・コンティを製造するドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティは,モンラッシェでも0.67ヘクタールのシャルドネ種のブドウ畑で年間250ケースのワインを作っている.6000円台.
<個人> 2011年4月24日に飲む.色は薄く,上品な味わい.「芳醇」という語がしっくりきた.ミネラル味みがあり,こくをうっすら感じさせながら喉に落ちて行く.後味はほどよい余韻が残る.

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■12. GEVREY-CHAMBERTIN/2007/ピノ・ ノワール
<一般> ロマネ・コンティ(ヴォーヌ・ロマネ村)に勝るとも劣らない偉大なワイン「シャンベルタン」をはじめ,その中に7つの特級畑(グラン・クリュ)があり,一級畑の水準も高い.村名AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ:フランスの農業製品の認証で,ワインのラベルには「Appellation Controlee」または「Applacion d'Origine(生産地)Controlee」の表示が入る)「ジュヴレ・シャンベルタン」は,力強い味わいのワインとして知られる.5000円台.
<個人> 2011年4月26日に飲む.驚愕した.過去に飲んだぶどう酒で一番うまかったのではないか.口に含むと力強いが,舌の上に味がべたっと乗っているというよりは,舌の上に浮いている感覚で,喉を通過する時は水のようにさらりとしていて,あっという間に1本が空になった.

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■13. Perrin Reserve Blanc/2008/グルナッシュ・ブラン50%, ヴィオニエ20%, マルサンヌ15%, ルーサンヌ15% ※セパージュ(cepage: ぶどう品種)の比率は目安
<一般> 英語のBlackは黒であるが,フランス語のBlanc(ブラン)は白を意味する.コート・デュ・ローヌ(Cotes du Rhone)は,ローヌ川に接する6つの県から作られるワインで,赤・白・ロゼがあり,全体的に軽やかで若いうちから楽しめる.石灰質が主であるが,川によって運ばれた様々な地質が混ざり合い,粘土質石灰岩の砂利も土壌に含まれる.ペラン・レゼルヴ(Perrin Reserve)が生産するこのワインは,ぶどうを軽く破砕し,空気圧によるプレス後に果汁を清澄し冷却後,温度管理したタンクで発酵する.ステンレス・タンクで熟成させ,清澄・ろ過して瓶詰めして出来上がる.2000円台.
<個人> 2011年4月28日に飲む.アルコール感がざらざらと舌に残る,典型的な,コストパフォーマンスとして可もなく不可もなくの量産白ワインの印象を受けた.チップスターのコンソメ味とよく合う.

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■14. Cotes du Rhone Blanc Domaine Du Farlet/2005/グルナッシュ・ブラン
<一般> 引き続いてコート・デュ・ローヌの白を1時間ほどで倒す.尚,フランス語のコート(Cotes)は,英語のSide,日本語の『側』を意味する.裏のラベルには「太陽のワイン」と呼ばれる果実味たっぷりの味わいという説明書きがある.2000円弱.
<個人> 2011年4月29日に飲む.グルナッシュ・ブランのぶどう種が原因か,造りの問題か分からないけれど,腐りかけの洋梨ジュースにアルコールを足したような,まったりとだるい味で好感は持てなかった.

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■15. MEURSAULT Yves de Turquin/2008/シャルドネ
<一般> MEURSAULT(ムルソー)には特級畑こそないが,産出するワインは常に高い評価を受けてきている.独特の燻したような香りの,力強くバランスのとれた味わいのワインは,寿命が長く,熟成により大きく成長する.Yves de Turquin(イヴ・ド・テュルカン)は,大手ネゴシアンのルイ・コタン傘下にある造り手で,知名度は低いものの実直な造りは一定の評価を得ている.3000円弱.
<個人> 2011年4月30日に飲む.プラムだか,アーモンドだか,木の樽の熟成だか,の風味と,シャルドネの抜けると見せかけて舌に残っている(これをミネラル味というに違いない),思わせぶりなブドウ感を感じる.この特徴を,力強いと表現するのだろう.

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■16. BARON de LESTAC BORDEAUX/2009/ソーヴィニヨン・ブラン, セミヨン
<一般> BARON de LESTAC(バロン・ド・レスタック)の"LTSTAC"は,フランスNo.1のワイン会社カステル"CASTEL"――創設は1949年,その後わずか半世紀でヨーロッパ最大,世界でもナンバー3という巨大ワイン・グループに成長した.1960年代からはボルドーでシャトーの経営も開始し,現在13シャトーを所有,そのうち3シャトーがブルジョワ・クラスに格付けされている――,の社名のアルファベットを逆さから読んで命名されており,1995年に初めて1994年のヴィンテージを発売している.バロン・ド・レスタックは,AOCワインの中では売上No.1で,パリ市内では多くの広告がみることができ,まさにフランス人から愛されつづけているブランドである.1000円台.
<個人> 2011年5月1日に飲む.印象的な香りや味は無かったが,嫌味も無く,コストパフォーマンスに優れている印象だった.あさりのワイン蒸しと合わせ,がぶがぶ飲めた.

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■17. Alain Paret syrah merlot/2009/シラー, メルロー
<一般> Alain Paret(アラン・パレ)は,"すばらしいワインを造るには大きくなってはならない"という信念をもって,1973年よりワインを造り始めたサン・ジョセフの造り手である.農家製・手作りワインを扱っている,ハスミワインで扱っている.サン・ジョゼフ(Saint-Joseph)AOCは,ローヌ川沿いに60kmに渡る地域で,ローヌ川沿いでは対岸のクローズ=エルミタージュと並んで生産量が多い.ほとんどがシラー種を90%以上使った赤ワインで,チョコレートやヴァニラ,焦げた食物のような甘く香ばしい香りと,力強い味わいを持っている.手ごろな価格で,ローヌ北部のワインを味わいたい人には申し分のないワインである.シラーの力強さの中に,なめらかな口当たりのメルローが合わさった飲みやすい1本である.1000円台.
<個人> 2011年5月4日に飲む.安い赤ワインに持っている悪い印象,口から鼻に血とアルコール香が混ざって抜けて行く感覚が無く,ほっぺたにブドウ味がなめらかに広がって,のどにするりと落ち,とくとくと飲めた.

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■18. BARON de LESTAC BORDEAUX/2009/カベルネ・ソーヴィニヨン, メルロー
<一般> 16.で飲んだBARON de LESTACの赤.カシスを思わせる赤い果実の風味と,贅沢な樽香のバランスの良い赤で,心地良いタンニンが溶け込んだ,料理を引き立てる,上品できめ細やかな味わいに仕上がっている.1000円台.
<個人> 2011年5月5日に飲む.赤ブドウ酒,と,「ワイン」ではなく,ブドウという言葉を使いたくなる,ブドウジュースをアルコールで少し重くしたような味があった.大衆受けする味なのだと思う.

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■19. LES PLANTIERS DU HAUT-BRION/2008/オー・ブリオン・ブラン, ラヴィル・オー・ブリオン
<一般> HAUT-BRION(オー・ブリオン)はメドックの南,ボルドー市から南にかけて広がっているグラーヴ地区にある.「シャトー・オー・ブリオン」は,「シャトー・マルゴー」などがあるメドック地区の格付けで,同地区以外で唯一の第一級に選ばれている.赤は1万2000ケース,その一割ほどの白はボルドーで1,2と言われる辛口である.PLANTIERS(プランティエール)は,セカンドワインの位置づけであるが,手頃な値段で,オー・ブリオン・ブランの片鱗を味わえる.6000円台.
<個人> 2011年5月7日に飲む.オー・ブリオンとはなんと美味そうな響きか.味は,まず酸を感じる.「酸」はぶどう味が濃い酸性(=辛口),ミネラルは石灰などを含む土壌味のアルカリ性(=テロワール:ワインの味わいに影響する土壌,地層,地質,立地条件),という表現分けがしっくり来る.このワインは,それが,オー・ブリオン・ブランの片鱗というやつで,確かに辛口の酸を感じさせた.もちろん,嫌味は無く,香りは品よく薄く.

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■20. Sarget de Gruaud Larose/2008/カベルネ・ソーヴィニヨン, メルロー, カベルネ・フラン, 他
<一般> 1855年公式格付グラン・クリュ第2級で,ボルドーの村の中でも最もシャトーの集中度が高い,村名AOCサン・ジュリアン.ポイヤック村のシャトー・ラトゥールと並び,良質のワインを毎年生産することで非常に高く評価されている.ラベルには「ワインの中の王,王のためのワイン」と書かれ,シャトー・タルボーと共にサン・ジュリアン特有の,なめらかで優しい飲み口を持つワインの代表格と言える.樹齢の若い樹から収穫した果実を使い,シャトー・グリュオー・ラローズと同じ方法で醸造されるセカンドワイン.極上のヴェルヴェットのような厚く滑らかな味わい.4000円台.
<個人> 2011年5月8日に飲む.まさしく王道の赤の印象だった.どっしり重く,風味が濃い.唇をグラスに分厚くあてがい,そろそろと傾けると,ずどん,どっしりと口に芳香が広がる.

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■21. LA CUVEE MYTHIQUE ROUGE/2007/シラー, ムールヴェードル, グルナッシュ, カリニャン, カベルネ・ソーヴィニヨン, 他
<一般> AL D'ORVBIEU(ヴァルドルビュー)はラングドック地方の2000以上の生産農家からなる共同組合で,LA CUVEE MYTHIQUE(ラ・キュヴェ・ミティーク)は,南フランスの,それぞれの品種に最も適した土壌で栽培されたぶどうより造られたワインを選りすぐって樽熟,ブレンドしている.ラベルに描かれたフクロウは,人間に自然との共存を教えた女神ミネルヴァの象徴で,真理と知恵を表していると同時に生産者たちの情熱・努力の象徴を表す.ややオレンジ色がかった濃いガーネット色.活き活きとした酸味に程よい甘味がきれいに溶けあい,少し強めのタンニンが味を引き締め,南フランスらしいコクとボリュームのある飲み応えのある味わいを作っている.1000円台.
<個人> 2011年5月14日に飲む.ややアルコールを強めに感じる.葡萄味が濃く,一口含むと,ほっぺたがすぼまり,舌が逆立つようにざらついた.ただアルコール味と嫌味が残らないのが幸いであった.

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■22. CASTILLON COTES DE BORDEAUX/2009/メルロ, カベルネ・フラン, カベルネ・ソーヴィニヨン
<一般> コート・ド・カスティヨンは赤ワインのみで豊満な味わい,産する緩やかな谷や丘陵のイメージ通りのワインに仕上がっている.深い色合いで,強いアロマを持つ.イチゴやキイチゴなどの赤い果実や,プラムやチェリーなどの核果実の要素が感じられる.味わいは率直で丸く,優しくて力強く,硬いけれども繊細なタンニンにより舌触りが豊かで,心地よい余韻へとつながる.カスティヨン・ラ・バタイユの町は,歴史家にとってはアキテーヌ地方のイギリスの支配とこの土地で行われた100年戦争の最後の戦いを思い起こさせるが,ワインの愛好家にとっては,ボルドーの最も古いぶどう畑の一つとして思い出される.1000円弱.
<個人> 2011年5月15日に飲む.味は薄い反面,鼻をアルコール臭が抜け,割と長時間残る.醸造アルコールを後からべっとりと足した二級酒の日本酒のような,やるせなさが,このメルロが主体の安い赤ワインにはあった.赤ワインの葡萄品種としては,メルローよりカヴェルネの方が,どうやら口に合うようだ.

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■23. Pouilly Fuisse La Verchere/2009/シャルドネ
<一般> ドメーヌのすぐ隣の南に面した区画に植えられた40年から50年になるぶどう樹から造られる.「マコネ(村)のムルソー」とも評される畑.レモンバターやナッツなど複雑なニュアンスを帯びる.ヴェルジッソンのなかでも高いところに位置し,樹齢は総じて70年以上である.4000円台.
<個人> 2011年5月17日に飲む.No.5に書いた通り,フランスワインを飲み始めるきっかけを作った銘柄であり,ここ2ヶ月で3本目のプイィ・フュイッセである.順位は,いずれも4000円台であるが,LOUIS JADOT(No.5)>Levroute(No.10)=Verchere(No.23),保管の差なのかもしれないが,LOUIS JADOTのグラスの写真は濁り,他は澄んでいる.この差が,同じブルゴーニュの辛口(セック)の白(ブラン)のプイィ・フュイッセの名を冠していても,視覚効果も手伝って,味の複雑さと明快さの線を引き,前者にコクを少しプラスして,うまく感じさせてくれたのかもしれない.無論,最初に飲んだ印象は後に残るので,評価をする上で,有利な場合が多いことも考慮しておかねばならないが.相変わらず,ドライで黄金色を放ち,グラスを回して空気を含ませると一瞬,キレのある鼻の毛穴を抜ける爽やかな香りがある.よく嗅ぐと青リンゴの皮のような香りと言える.昼下がりにグラス一杯をキュッと飲んで,1日の後半戦に力(リキ)をつけるのにぴったりだろう.

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■24. MUSCADET SEVRE ET MAINE/2008/ムロン・ド・ブルゴーニュ
<一般> MUSCADET(ミュスカデ)はナント地区にあり,独特の酸味のあるキリッとした辛口の,新鮮さと軽やかさが魅力の白ワインである.6度前後に冷やして飲むと味が引き立つ.シュール・リーとは,ある一定期間(数が月)タンク又は樽内のオリを引かず,ワインと触れさせておく状態のことで,これにより,ワインに豊かなボディとフレッシュでフルーティーな味わいが生まれる.ムロン・ド・ブルゴーニュ(Melon de Bourgogne)は,フランス西部のロワール川河口付近のミュスカデ地区で栽培されている,白ワイン用ぶどう品種である.ブルゴーニュ地方でわずかに栽培されている品種であった.「ムロン」とは,このぶどうがマスクメロンに似た香りを持っていることに由来する.1000円台.
<個人> 2011年5月19日に飲む.冷やせば冷やすほど味の角が立ち,うまい.安い赤にハズレは多いけど,白は安くてもうまい傾向にあると感じ,普段使いしたいコストパフォーマンスである.アルザスほどではないが,他の地域に比べて,同じ750mlサイズでも瓶が細長いような観察ができた.

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■25. MEDOC Chateau Potensac/2008/カベルネ・ソーヴィニョン,メルロー,カベルネ・フラン
<一般> Chateau Potensac(シャトー・ポタンサック)は,格付けシャトーに匹敵する高品質なワインを産し,2003年に行われたブルジョワ級格付け改定で,ブルジョワ・エクセプショネル級に格上げされている.カシスとベリーのような個性を持ち,優れた骨組みがあり,すばらしい純粋さとバランス,そしてメドック北部としては稀な驚異的な熟成の可能性を示している.発酵とマセレーション(果皮や種をワインに漬けたまま果汁と接触させることで,タンニンなど葡萄の旨み,ワインの成分が果皮から果汁に移り,ワインの個性を作る)は温度管理されたステンレスとコンクリートのタンクで15~18日間,熟成は新樽10~15%で12~16ヶ月,清澄はするが濾過はしない.4000円弱.
<個人> 2011年5月21日に飲む.カベルネ・ソーヴィニョンが約60%で味の骨格を作り,メルローとカベルネ・フランで複雑さを加える.カベルネ・ソーヴィニョンが持つ力強いタンニンは,渋み,(女性を思わせる)豊かでもあればがっかりもするアロマを感じさせ,常温で飲み進め,酔いどれるほどに,口に馴染んで飲みやすくなっていた.

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■26. VOSNE-ROMANEE CROS DES REAS/2008/ピノ・ノワール
<一般> VOSNE-ROMANEE(ヴォーヌ・ロマネ)は最も偉大なブルゴーニュのワインを産する村で,最高峰はロマネ・コンティである.ロマネ・コンティ,ラ・ターシュなど5つの特級畑が取り囲むほか,グラン・エシュゾー,エシュゾーもある.一級ものも並外れて素晴らしい.村のすぐ南にある2ヘクタールの畑は,名手グロ(CLOS DES REAS)単独所有の一級畑(プルミエ・クリュー).甘さを感じるものの,後味はドライ.酸は高めでだが,それほどの硬さは感じさせない.テクスチャー(材料の表面の視覚的な色や明るさの均質さ,触覚的な比力の強弱を感じる凹凸といった部分的変化を全体的にとらえた,特徴・材質感覚効果)は非常にしなやかで,タンニンは少なめながら粘性を感じさせる.凝縮感のある緻密な味わいを持つ.重心はヴォーヌ=ロマネらしく低めで,豊富なミネラルによるストラクチャーと甘い果実によるボディがある.9000円弱.
<個人> 2011年5月22日に飲む.本来は10年とか熟成させて飲むのだろうから大分の若開けになろう.色は薄く,20代前半以前の女性のびらびらのようで,空気を含ませると少し酸味も立ちこめる.味はチェリーのような果実臭が鼻に妖しく漂って余韻を持って残り,木の樽にたっぷりと染み込んだワインをしゃぶるような愉しみがあり,アルコールを感じさせないながら,実に女性的で官能的な葡萄の薄皮にこびりついた果肉を丹念にすすっているような,病み付きになる味わいだった.

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■27. Chateau La Garde/2007/ソーヴィニヨン・ブラン, ソーヴィニヨン・グリ
<一般> ペサック・レオニャン,マルティヤック村の砂利の多い丘の上にシャトーがある.ペサック・レオニャン地区では最も偉大なテロワール(土壌や気象条件)と評価されている.ソーヴィニヨン・グリは,ソーヴィニヨン・ブランの一種であるソーヴィニヨン・ロゼの別名で,はっきりとしたピンク色の果皮を持ち,多くのソーヴィニヨン・ブラン単一のワインより重厚なワインを造ることができる.5000円弱.
<個人> 2011年5月23日に飲む.少し逆説的に感じながら,ボルドーの白を飲む.色は濃く.黄緑がかっている.香りは強く,最初セロハンテープを香ばしくしたような,粘り気がある臭いだが,よく鼻を押し当てて嗅ぐと,キンモクセイやナッツの香りがした.味はぱっと口に刺激がほとばしり,すっと引く,辛口ぶり.

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■28. Vin d'alsace PINOT GRIS/2008/ピノ・グリ
<一般> アルザスワインの特徴はラベルに原料のぶどうの品種名が表示されている.代表的な品種と特徴を示す.「リースリング」:上品なぶどうの風味の,繊細でバランスのよい辛口白ワイン.「ゲヴェルツトラミネール」:ゲヴェルツトラはドイツ語で香辛料の意味で,その名の通り独特の際立った芳香を持つ.「ピノ・グリ」:ボディがしっかりしている.「ミュスカ」:他の地方では辛口仕立てが多いが,アルザスでは辛口になる.「ピノ・ブラン」:まろやかなワインを生む.「シルヴァネール」:フルーティーで軽やかな飲み口がよいワイン.「ピノ・ノワール」:フルーティーで色鮮やかな辛口のロゼや赤ワインになる.2000円台.
<個人> 2011年5月28日に飲む.アルザスは,リースリング(No.4),ピノ・ブラン(No.9)に次いで3種類目のピノ・グリ.しっかりとした味で,料理に負けない.白は赤と違い,銭をたっぷり使わなくても,それなりの満足感をくれるものだと再認識する.細いアルザスのボトルの下の端に指を掛けて,細い糸のようにそろそろとグラスに注ぎ,昼に塩をきかせたパスタの傍らに置いて,フォークとグラスを交互に手を持って行くと,自然とほっぺたが満足味で膨らんで来た.

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■29. Au Grand Paris/2009/セミヨン, ソーヴィニヨン・ブラン, ミュスカデル
<一般> ボルドーの右岸地区には,意外なほどコストパフォーマンスに優れた白ワインが多く生産されており,Au Grand Paris(オー・グラン・パリ)もその一つ,サン・テミリオンの南東に位置するシャトーだ.白い花やトロピカル・フルーツのフルーティな香り,フレッシュな酸と果実味のバランスのとれた爽やかな飲み心地の白ワインになっている.1000円台.
<個人> 2011年5月31日に飲む.しっかりとした味わい.やや酸が強い.メインディッシュに合わせるというよりは,昼下がりにシャワーを浴びた後,きりっと冷やしてくいっと飲みたい一杯.

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■30. GEVREY-CHAMBERTIN LOUIS JADOT/2007/ピノ・ノワール
<一般> No.5に続きブルゴーニュ有数のLOUIS JADOT(ルイ・ジャド)の,No.12に続くGEVREY-CHAMBERTIN(ジュヴレ・シャンベルタン)である.深い色合いとベリーや赤い果実の多面的な香りを持ち,タンニンがしっかりしたフルボディで,まろやかな味わいが最後まで続くワイン.ジュブレ・シャンベルタンは8のグラン・クリュと26のプルミエ・クリュがあるルイ・ジャド社のジュブレ・シャンベルタンは,グラン・クリュやプルミエ・クリュの畑のある斜面に続く畑から収穫されたブドウより造られている.ジュブレ・シャンベルタン村にある畑は品質の個性に非常に差異があるため,生産者の名前が他の村のワインに比べてワインの品質に特に重要な意味を持っている.6000円台.
<個人> 2011年5月31日に飲む.色は透き通ったベルベットを思わせ,香りは膨よかで品よく,味はタンニンの渋みを感じさせるものの飲み進めるにつれて舌に馴染みサラサラと飲みやすさが増して行く.白はそこそこでも,赤は美味いと感じた経験がほとんどなかったけど,銭をほどほどに使えば美味いと感じさせてくれる赤ワインに出会える(No.5/30のシャンベルタン,No.25のメドック・ポタンサック,No.26のヴォーヌ・ロマネ)ことだと勉強させてもらった.自宅で2ヶ月で30本目のフランスワインの最後に相応しい一本だった.

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